NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!『獸醫師・押越亨とドクトル・キメラ』全/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
。何となく、疎ましがられてゐるのは、押越にも、分かつてゐた。


【?】

 大?屋は一種の「アジール」である。法に触れるやうなマターでも、常連たちは自由に話し合ふ。よつて、最近、怪盗「もぐら國王」と付き合ひが生じた、なんて事も、カンテラたちは話すのである。押越「『もぐら國王』つてあの、もぐら姿で逃走するつて云ふ?」じろ「さうさう。カンさんに一命を助けられてから、俺たちに懐いてゐる、のさ。センセイなんかは、興味あるだらう。人間なのか、もぐらなのか」
 圖星であつた。またも、迫りたい謎が一つ、増えた。「人間なのか、もぐらなのか。そしてそんな巨大もぐらなど、あり得るのか」じろ「コンタクト取
[次のページ]
戻る   Point(2)