あけびの怒り/ひだかたけし
 
夜半から
夢見に何故か
愛娘の顔、
どんどんどんどん
遠のき消えゆき
哀しみ 溢れ 、
止まらなくなり
溢れ出すうち

溺れそうに
なりながらも、

 いつしか 哀しみ
 自ずと泳ぎ方覚え

もはや溺れること無く
泳ぎ続けて安らいで

目覚めた涙目から

一塊の光滴が落ち
熱火の放たれ拡がり
ひろやかたおやか
この白い小部屋
やがて
内も外もなくなり

外は内で内は外で
あらゆる壁の取り払われ

わたくしは
びしっひしっと
覚悟しつつ笑って

そうして改め新た、

瞑った眼に浮かぶ
意識 輝きの現 
から 、
開けた眼に広がる
世界 散々残忍

あゝアケビの色がなんて綺麗∴∵

うんとっ 、
果実の 熟して裂開したら

今に むしゃむしゃ喰ってやる!と。◯ 
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