NWSF怪畸幻想譚 斬魔屋カンテラ!!『逆襲の汚穢河童』前篇/?任勇梓 Takatoh Yuji
まふ」じろ「一遍やつつけたんだつたつけ」カ「さう云へば、あの時は『修法』で」
確かテレビ局ジャックなどして、世間を賑はした、汚穢河童たち。放つておく譯にも行かないな…。
怖い夢を見た。由香梨である。
「腕返せー、腕返せー」と追つてくる汚穢河童。逃げる由香梨。「助けてー、兄ちやん!」だがその聲は杵塚の耳には届かない。と、
地表にぽつかり穴が開く。そこから一人の男 -ゴーグルを着けてゐる、屈強な男- が現れ、お嬢ちやん、こつちこつち、と云ふ。あんた誰? いやあたしやあ、杉下つてケチな小惡党ですがね。男は一匹の大きなもぐらに變身し、彼の堀つた穴が恰好の逃走ルートとなつた。由香梨はお蔭で汚穢河童の追撃を躱す事が出來た。「有難う、もぐらのをつちやん」「いえいえ、カンテラさんによろしく」
由香梨は事務所に帰つた。そしてそれは…實際に起こつた出來事だつたのである。杵「みんな心配してたんだぞう」由「もぐらのをぢさんが逃げるの手傳つてくれたんだ」じろ・カン「!」
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〈夢見には頼つてみても夢ですよと云ふ諦めつく何かある 平手みき〉
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