ぼろぼろのつばさ5/青色銀河団
[郷愁]
昔
小学校の理科の時間に
習った
雨は
空にある記憶の破片ひとつひとつに
水蒸気が付着し
それ自身の郷愁の重さに耐え切れなくなったとき
地上まで落ちて来るんだと
天と地との
その遥かな距離を
はるかな切なさを
延々と落ちて来るんだと
だから
傘を持つ手を濡らす
あめつぶは
どこかなつかしい味がするのだろうか
[人]
歩く人それぞれに
植物の属性が宿っているのだそうだ
地球は鉱物でできているから
そこで生きてゆく為に
それぞれ地に根をはっていかなければならない
あのピンクのコートを
羽織った女性は
桜
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