土曜日/
形代 律
川口の方へ
バスではこばれていると
ひかりに透かして
平熱の町が浮かんだ
病院前駅では
うかがい知れないおもいに黙るひとたちが乗り
次の駅で降りるボタンを
別のひとがつよく押す
一様に揺られても
溢れ出さない
国道沿い
思い出される日の縁はかがやいていたと
いつか
いとおしくなる
ような気がして
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