NWSF怪畸幻想ロマン 斬魔屋カンテラ!!『春一番が吹く迄』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
、此井、お宅のカンテラさんを、民事で訴へる者が、つひに現れたぜ」「な、何?」焦るじろさん。元々が違法すれすれに活動してきた「一味」だ。訴へられるのも、カンテラ自身は視野に入れてゐたが、じろさんにしてみれば晴天の霹靂だつたのである。
仲本の談話では「原告は色川、と云ふ、地方の金滿家の奥方ださうだ」がたん、じろさんは思はず椅子からずり落ちた。「な、何い」同じ言葉しか出て來ない…。
これにはカンテラも少々驚いた。「色川の母堂は、俺が倖世さんを斬つたのは、止むを得ないと、分かつてくれたやうだつたが」
兎も角、物語はどんどん本道を逸れてゆくやうである。仲本氏には、賂マヒナヒを渡し、それとなく
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