骨音/
あまね
ずっとむかしの
波しぶきの化石を並べて
もう聞こえない声の数々は
糸を曳くように飛び交う
白く露出した骨は
もう痛みを感じないから
少しずつ折り取っていく
日記みたいな作業
遠くで
いくつも
火の花が
咲いて
淡くよごれた小鳥たち
いつか海の夢をみろよ
ふかいふかい藍の色
どこまでも潜れたらいいのに
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