NWSF怪畸幻想ロマン 斬魔屋カンテラ!!『ホムンクルス』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
美の方だつたのである(別にモーションをかけた訳ではない。盾が勝手に惚れたのだ)。盾はすつかり悦美に片戀をしてしまつたのだ。來る日も來る日も、盾は悦美に戀焦がれるばかり。
「何をやつてをるのだ! 試作品第一號よ!」しかし盾にはだうやら「人間の心」が芽生へてゐたのである。戀情も、そのうちの一つ。早くも鰐革の目論見は、一角から崩れ始めた。

 盾「悦美さん…なんて美しいんだ。そしてあの、優しげな瞳」カッちやんが、アナタよく店の周りで見掛けるね、と盾に聲をかけてきた。カンテラ一味が出入りする店、として、大?屋は彼らのファン羨望の店となつてゐた。そんな中の一人であらうと、カッちやんは踏んだ譯である。
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