NWSF怪畸ロマン 斬魔屋カンテラ!!『言の葉魔女』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
【?】
カンテラは護摩を焚いて、その中に坂本のケータイを投げ込んだ。眞言密教の秘術、「修法」。「決戦の時、近し!」
そこは魔界ともこの世ともつかぬ、謂はゞ煉獄のやうな場所であつた。
「わざわざのお呼び、感謝するわ」傾城と云ふ表現のぴつたりする、美しい女。だが、着物の奥の躰は毛むくぢやらで、彼女が魔物である事は、疑ひを差し挟めぬ。
カ「こゝが地獄の入り口だ。覚悟するんだな」女「ほつほゝ、妾アタシを殺ヤれるものなら殺ヤつてみな」
女の爪が伸び、まるで蔦草の如くカンテラの利き手、左手に絡み付いた。「何、末期マツゴの足掻きだな」カンテラが身震ひすると、いとも簡單に爪は地に振り落
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