NWSF怪畸ロマン 斬魔屋カンテラ!!『幼馴染』後篇/?任勇梓 Takatoh Yuji
ひ、安つぽいビーズのブレスレットを殘して、彼女は去つて行つた。
ブレスレットは特に何の氣なく、アクセサリー入れに仕舞つておいた。幾夜かゞ経つた。夜更け目醒めると、あの夜の女がベッドに入り込んでゐる。「わ、わあ」思はず照明を點けると、女は消えた。心には女の聲で「何故ブレスレットをしてくれないのです?」その言葉が谺してゐる。ぞつとして、ベッドから出、冷やしてあるビールをがぶ飲みした…。
それから幾度も同じ事が起こつた。自分は嫉妬の余り、氣が狂つたのか。仕事の間も、ぼうつとしてしまふ。ディレクターはじめスタッフたちは何やらこそこそ囁きを交はしている…。
腕組みをして、林和規がその模様を見てゐ
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