クローズド/栗栖真理亜
硬い殼に閉じこもりじっとしている
ダンゴムシのように背中丸めて蹲りながら
外環からの刺激は毒だ
抽象的な光や記号は頭を混乱させる
より明確な
より鮮明な形が欲しい
太陽光線を長時間浴びたような捻くれた線
乱暴に塗りたくったような極彩色
混ざり合ってはぶつかり合う
折り合いの付かぬアンチテーゼ
言霊はまるで一個の漂う亡霊
石のように頑なな心
解きほぐし実際の言葉へ導いてくれる
真意を解く鍵を殻の中に閉じ込めたまま
「ぁあ」
呻きながら閉じてゆく
心のカーテンは揺らいでいた
戻る 編 削 Point(1)