ラザルス*の警告/ひだかたけし
日々の営みの ふと
色褪せ意味失い凝固し
ヒビ割れる瞬間、
自らの死と生 浮き立ち
肉身の我、
抜けていく透けていく
槍一本、
突き刺され
この抜けの良い透け抱え込み
自らの生存そのもの 、
どよめき立つ唸りの内に
洗い出される如く露わになり、
なにものかが
私の魂に歩み入る
少しずつ掠め盗み取りながら
他なるものが制する迄
他なるもの生かされる迄
なにものかが
私の魂に歩み入る
歩み入り蹂躙する
自らを言葉の翼に乗せ
静かさ鈴なり草笛の
蘇り生きる思考意志
何度も何度も
繰り返し警告する 、
この抜けの良い肉身抱え込み
佇み続ける他者なる私に
*David Bowie『★』収録曲“Lazarus“より借用
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