NWSF傳畸ロマン 斬魔屋カンテラ!!『生きてゐた小ノストラダムス』?/?任勇梓 Takatoh Yuji
 
姿がゴージャスな悦美(母、澄江さんには、あんたもう三〇過ぎたんだからやめなさい、そんな恰好。と口喧しく云はれるのだが・笑)とで、これもグレイの猫用タキシードを着て美々しいテオを連れて、観戦に來てゐた。まあ、俺も武術家の端くれだしね-カンテラの弁。「おゝ、カンテラさんだ! 悦美さん、綺麗だなあ!」観衆も大喜びである。

 ゴングが鳴つた。差し手争い(大柄で筋骨隆々たる田所と、小男・痩身の、しかも久しく道着を着てゐなかつたじろさん、とではなんだかちぐはぐだ)。-と、勝負は一瞬で決まつた。
 じろさんの襟首を田所が取つた、その瞬間、じろさん左手で田所の差し手をぐいと後ろに捩ぢ上げ、すると自動的に(
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