竜巻/栗栖真理亜
テレビの画面上の竜巻警報
思わずギョッとする
表示したかと思えば消え
また表示されてから数秒で消える
「そういえば」
私は思い出す
職場の昼休み
ランチを食べに行った帰り
職場玄関口の前で木の葉を巻き込んで
勢いよく回る竜巻を
恐ろしくデカく
まるで主であるかのように職場前を陣取っていた
あの竜巻の中に入れば
きっと自分も木の葉のようにぐるぐる回された挙句
軽く吹き飛ばされしまうだろう
勢いが強すぎて体ごとバラバラになってしまうかもしれない
しかし私はそんな恐ろしい状況とは裏腹に
不謹慎にもあることが頭によぎってしまった
「カンザス、ノーミソ、ココロ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)