王≒タイラント/川崎都市狼 Toshiro Kawasaki
何処に着てゆく?
きみに會ふとき
僕は精一杯お洒落をしてゐるけれど
そのまさしく精一杯な
それ以上はない
僕の今の
在り處アリドを感じてくれたら
さう云ふ願ひがこもつてゐる
本心ではね
ラモーンズみたいに
革ジャン・ポップなTシャツ・破れたデニム・汚れたデッキシューズで
盛装としたいんだよ
色々迷ひがある-
断ち切らなければ
と云ふ現在が
クリーニングに出した
春物のコートにはあるんだ
僕の民草は
きみ一人
王の振りした
タイラント
が
玉坐に坐す
大きな圓形を描くピアス
ほんの安物だけれど
僕の装ひの「哲」が
そこに集約されてゐる
次から次へと 部屋の奥地から
發見されるガラクタめいた古着たち
それらに埋もれて
僕の幸福は
ありもしない現實の様相を
帯びる
#詩
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