衒学鳥/中沢人鳥
 
赫赫たる蒼穹に舞う翡翠の影、 羽摶き一閃、風を裂く?の響。 風韻濃密なる虚空に、その声は如き翡翠琴の奏。 哢声は黄鐘調に流れ、 万象の縫い目を紡ぎ、永劫の詩篇を描く。蒼茫たる雲海を翔けるそれは、 神霊の如き尊容をたたえ、 霜天に一筆、銀砂を散らすかの如し。 霓裳羽衣をまといし姿、 その煌めきは幽邃なる森羅をも射抜く。闇黒の宵に佇む梢、 梢に佇む影は、剣閃の如く鋭利に、 万籟の声を呑み込みつつ。 無声の叫びは天地を貫き、 その翳りは無明の淵より立ち上がる。彼の鳥は、ただ一羽の幻影にあらず。 無数の翅音、千々の羽搏きは、 人寰の理を嘲笑い、 滔々たる時流を飛び越える。塵芥の如き市井の喧騒を後に、 幽玄
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