イヴの手が触れるアダムの胸の傷あと ──大岡信『地上楽園の午後』/田中宏輔
考えると、どうしてもその裏側を考えなくちゃいられない、そういう精神的な習性が身について」いるという、大岡氏自身の発言があるが、改めてそのことを確認した。また、大岡氏の詩法を前掲のinterview欄における、大岡氏自身の発言をcollageして解すると、「二元論的な問題をまずつか」み、「二つのおよそ何か次元の違うようにみえるものを統一する視点」から詩を構築する、というようなものであるが、同欄には、また、氏自身の、「徹底して矛盾したものが何よりもよく一致してるような状態があれば、それが」「絶対というもののイメージだと思う」という、何やら、三位一体論を彷彿とさせるような言説もある。ちなみに、三位一体論
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