朝/川崎都市狼 Toshiro Kawasaki
 
伊藤桂一に-

心のなかで
グッジョブサインを出す
愛は止め処もない
私は貴女に會ふ為
の全ての条件を滿たした

だうか明日も明後日も
私の幻影を見て
晝の月を
思つて慾しい
それは幻影が二つの實體を持つ時

全き不全
何が美しさで
何が醜惡さであるか
今度は貴女が思ふ番だ
朝がさうさせる顰めつ面を
私たちは今日も晒してゐると、ね

さうだ、だうか愛の
眞の意味を悟つて
濡れた奥處・女の場所に
ジュースをまた
溜めてゐてくれ

貴女と寢たい
だから以上の事は
なべて必要だと貴女が気付く迄
私は詩ウタはなければならない
詩なんて捨てゝ、立ち向かふ愛は

これより他にないと云ふ
貌スガタをしてゐるだらう

哲學が
衒學にならぬやう
私は詩を綴る 氣を持たせるのは
もう金輪際-
全き不全(未然)

未然
即ち
人間らしくある
今朝の私たち
を書かねばならない

詩に課せられた課題を
一つ一つクリアしてゆく
限りなく非・詩に近づく
私たちの それぞれの


#詩

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