暇を持て余す/
栗栖真理亜
体型の男性が
川岸の正面へ体を向けたまま眠り込んだように顔を下に俯かせて座っている
そこから斜め後ろぐらいの草むらでは
茶髪で長い髪の若い女性が水色の自転車を停めたそばに座り込んで
なにやら一生懸命ノートらしき紙に書き込みをしている
誰もお互いを顧みることもなく関心すらない
それでも草の香りを纏わせながら川は流れていく
かすかに揺れる緑と白い花と水飛沫と水面と
ゆっくりとしたペースに合わせながら
行き過ぎる人の影は流れる
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