はなうた/
そらの珊瑚
浅い春が来て
きみの肩先から
ふたばが芽吹く
冬の熱量が
熱ければ熱かったほど それは
あどけなく
ふるふる
ほころぶ
目をはなしたすきに
ひとひらの蝶になって
とびたった
空は曇天
春のさよならは
花を咲かせない
人のなかに羽があって
羽のなかにうた、がいて
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