ユートピア万歳!/鏡文志
とを確認する必要も、何もなかった
そして、最後の一台が最後から二代目の機械がショートしようとする時、最後の一台はいつものように涙を流し
「ユートピア万歳!」と呻き声を上げた
それが人間が機械に託した、唯一のメッセージだった
最後の一台がショートしたことを知る者は誰もいない
証人もいなく、確認も、記録も、報告さえ、なかった
時間だけは、誰も止められなかった 空間だけは、誰も埋められなかった
只、全てが過ぎ去っていった
私達がもう、それを確認できない以上 そのことを悲観する必要も、何もなかった
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