ブレーメンの音楽隊/足立らどみ
 
ぼうたちを「子どもの心の負の部分」や「悪の従者」と捉えることで、物語が内面的な成長や浄化のプロセスとして読めるようになります。
例えば、どろぼうたちは自分勝手や恐怖心、欲望といった「負の感情」を象徴しているのかもしれません。それに立ち向かい、追い払うことで、音楽隊(=純粋で調和を目指す心)が新しい居場所を得る。この構図は、「負の部分との対話と克服」という、子どもの成長物語としても解釈できますね。
さらに、どろぼうたちが「お化けがこわい」と逃げだすのは、「負の感情」もまた恐怖や不安によって生じる弱さを内包していることを示唆しているようです。音楽隊が暖炉やスープで「満たされる」という描写は、安心感
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