人格と世界観3/ひだかたけし
に、
人は自分の精神の内密な体験を自分の見た世界に移し入れるが、
そのとき自分の人格のもっとも特徴的なものを移し入れる。
個人的な色合いをもつことなく、
誰もが受け取れることのできる真実も存在する。
しかしそういう真実は、極めて表面的な、極めてありふれた真実である。
そういう真実は、誰もが同じようにもっている人体のようなもので、
そこからは同じ判断しか出てこない。
計ったり、数えたりするときの判断は、誰がやっても同じである。
誰にとっても数学上の真理は同じである。
けれども人間個性は一般的な人体上の特徴とは異なる特徴をもっており、
その点に真理が個別的に形成される根拠があ
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