WELCOME TO THE WASTELESS LAND。──詩法と実作/田中宏輔
 
が、わたしのこころを通して喜んだり、悲しんだりするのである。言葉が、わたしのこころを通して楽しんだり、苦しんだりするのである。」と。
 コラージュをしている最中、しばしば、興に乗ると、数多くのメモのなかにある数多くの言葉たちが、つぎつぎと勝手に結びついていったように思われたのだが、そんなときには、わたしというものをいっさい通さずに、言葉たち自身が考えたり、思いついたりしていたような気がしたものである。しかし、これはもちろん、わたしの錯覚に過ぎなかったのであろう。たとえ、無意識領域の方のわたしであっても、それもまた、わたしであるのだから、じっさいには、言葉たちが、無意識領域の方のわたしを通して、無
[次のページ]
戻る   Point(10)