WELCOME TO THE WASTELESS LAND。──詩法と実作/田中宏輔
 
ましていた。
わたしを読むのをやめよ!
一頭の牛に似た娘がしゃべりつづける。
山羊座のぼくは、どこまでも倫理的だった。
つくしを摘んで帰ったことがある。
ハンカチに包んで、
四日間、眠り込んでしまった。


 この詩が、先に述べた、「偶然を最大限に利用する方法」でつくった最初のものである。そのせいか、まだ初期の、思い出をもとに言葉を紡いでいったころの、先に表現したいことがあって、それを言葉にしていったころの名残がある。つぎに紹介する「王国の秤。」をつくっていたころには、すでにコラージュという手法にもすっかり慣れていて、その手法で、できる限りのことを試していたのであるが、それと同時
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