春の予感/栗栖真理亜
い囁きは嘘ではないのだと証明して欲しい
ただそれだけなのにあなたは「束縛」と捉えるかもしれない
だけど、お願いだから聞いて
それが女ごころなの
どんな時でもあなたを想いあなたのことしか考えられない僕をあなたは笑うかもしれない
それでも僕はあなたの影を追い求め幻で柔かな温もりを肌に感じている
たとえそれが儚い希望(ゆめ)だとしても
すがりつくこの手をこの腕をどうか振りほどかないでおくれ
夢の狭間をさ迷う僕をどうか慈愛に満ちた眼差しで見守っておくれ
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