旧水戸街道環状島群島/森 真察人
 
浮く島々は
重力に鳴っては
ちょっと 内海に足をつけたり
ちょっと 公海に顔をうつしたり
している
?
瀬戸の浮島をめざして
覚えた四泳法を繰り出し
海原のおそろしさを触覚した日のような日を
ああ のうのうと手を見る女
ああ 侮蔑的眼光の男
仕舞い込んでいるでしょう
――ひとしく狂っている、
雨樋(あまどい)の一輪の花、リマスタード・ロード・ムービー。
?
僕も
平板な石鹸が縁(ふち)を脱ぐように
あなたの身体に沈みたい
掻かれた赤松の古傷のように
僕の愛は閃(ひらめ)き光る
?
されば
怒ること、妬むこと、憂(うれ)うこと、哀しむことの必要は無い。
唯(ただ)、いま、このエゴイスティックな愛を
この爆心の内海の水圧を観(かん)じて
同心円状に、個人的に、波状に、
うたうのみ

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