遭難ー東京砂漠を思い出すー/りつ
 
クスで、絶対に口をききたくなかった
だから、どんどんどんどん歩くしかない
歩くほどに歩くほどに
駅には辿り着かずおかしな方へ進んで行く
辿りついたのは閑静な住宅街
綺麗な家が並び
昼間なのに人っ子ひとり歩いてない
車も走ってない
人気もない
だんだんゾッとしてきて
頭の中をエンドレスで「東京砂漠」が流れ始め
内心焦りまくり
このままでは遭難して死ぬと本気で思った
(顔には全く出てない)
半ば絶望して歩いていると
いきなりポカっと車通りの多い車道に出た
呆然とする
道路標識があった
白輪台?聞いたことがある
お金持ちの住宅街だ
品川駅?
駅が見つかった!

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