IN THE DEAD OF NIGHT。──闇の詩学/余白論─序章─/田中宏輔
 
中川 敏訳)「虚無のなかに確固たる存在がある」(アーシュラ・K・ル・グィン『アカシア種子文書の著者をめぐる考察ほか、『動物言語学会誌』からの抜粋』安野 玲訳)のである。

 マラルメの『詩の危機』に、「中くらいの長さをもった語が眼にとって理解可能な範囲で、線の形に最終的に並べられる。それと一緒に、語の間や各行の前後にある余白の沈黙も並べられる。」(南條彰宏訳)とある。いま、長さについては云々しない。また、竹内信夫の『マラルメ─「読むこと」への誘い』(「ユリイカ」一九七九年十一月号)に、「語のひとつひとつよりも、語と語を結ぶ空白、更には頁全体を大きく包みこむ空白がより意味深いのである。それは、何
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