IN THE DEAD OF NIGHT。──闇の詩学/余白論─序章─/田中宏輔
る。
淡雪にいたくしづもるわが家近く御所といふふかきふかき闇あり
闇よりくろき革衣着てちはやぶる神戸オリエンタル・ホテルへ
昇降機すみやかに闇下りつつ死してはじめて人は目覚める
これらを筆者は、「闇の miniatures」と名づけたのであるが、それが、このときの論考に「Bible Black」というタイトルをつけた所以ともなっている。
同人雑誌を最後に出したころに催された同人会の宴の後、三次会になるのか、四次会になるのか、それは定かではないが、夜中の一時はゆうに過ぎていたと思われる。まだまだ帰るのには早過ぎるとでもいうように、林と笹原の二人が筆者宅に寄り、筆者とともに
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