詩とは何か/足立らどみ
 
ての存在を認められるかどうかは、他者からの評価や解釈によって決まるということです。そして、その「他者」とは、外の誰かだけでなく、自分自身の中にある批判的な視点やもう一人の自分のような存在も含まれます。

一方で、詩を読む人(詩読み人)になることは、詩を書く能力や詩心の有無に関係なく、個人の内面で自由に完結できる行為です。例えば、音楽を聴いて感動するのに作曲家である必要がないように、詩を読んで何かを感じ取るのに詩人である必要はないということです。

この考え方から分かるのは、詩を書くことと詩を読むことは違う役割を持っていて、どちらも大切だということです。詩を評価する人や読む人がいることで詩が
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