Z世代の終焉/足立らどみ
一時的な衝動とは違った重みを持っていたと思います。
この二つを比較すると、行動の「質」や「次元」が大きく異なります。野坂昭如の行動には、芸術家としての矛盾や痛み、そしてそれを何らかの形で外部に示さざるを得なかった彼自身の葛藤が垣間見えます。それに対し、美術館での破壊行為には、自己の内面から湧き上がる真摯な葛藤や思想が見えにくいのです。
イーロン・マスクの行動についても、消耗で終わるものと、彼の影響力によって新しい秩序や可能性を生むものが交錯しているように見えます。彼の行動の評価は、長い目で見た結果によって左右されるでしょうが、「破壊衝動」の延長で社会を揺さぶる力を持つ彼だからこそ、私た
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