自由に挑戦する自由のうた/ひだかたけし
 
血なまぐさい系列の時代があり
生ぬるく溺れる時生続き過ぎ去り
混沌の渦巻きにまた
血なまぐさい系列が打ち寄せつつ
壊滅の前の静けさに
浜辺の優しい潮騒のにほひ薫る

ひたすらに走り廻る
雨中を夢中で
ただただ嬉しくて
自らに与えられた肉体の
その使い方を覚えたての子らの
意志の全身に行き渡り漲り
さざめく潮騒の息を吐いて
すっぽんぽんのびしょ濡れで
浜辺に刻むその足跡は永遠の残響

刑罰に拘束されながら塗れる放埒
ただの自由と云う幻想を生きて
退屈な余生を暮らす老人達と
忙しい人生を競う大人達と
狭間で、脈打つこの脳髄を襲う
遥か永久なる名無し人の息遣い
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