星月夜/201
虫を?み潰した顔で 僕を捨てた男の顔で 天使は笑う
(小説家は自分の人生を売ってるんだよ)
だから何だと言う事もない、空からは雨が降るし、ロンドンの人達は傘を差さない
神様が何も話そうとしなくなったとしても
悪魔が本当のことを言いだして、天使が首を吊っても、
すきやきにしいたけしか入ってない未来が来るとしてもだ、しいたけを食えばいい
(世界の突端に立って
恋人の為に持ってきた傘を
どこの誰かも分からない落伍者に渡す
きっと虹が見えますよ、と言って、それが貧しさだから)
水玉模様の猫が長い尻尾を立てて散歩をする
「日曜日だから」
振り向いてにっこり笑った
笑顔だった
あの子にとてもよく似ていた
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