年神さまのこと/花の営み/ちぇりこ。
口々に年神さまの印象を語り合う
ぼくは布団を頭から被り目をつぶり
その姿を想像するしか無かった
それぞれの家にやってきて
それぞれの年神さまの植えた種が
やがてそれぞれの体内で発芽して
頭のつむじに花を咲かせる
それぞれの色やかたちで開花した花を
つむじから咲かせたぼくたちは
花の営みをする花の町をかたちづくる
そうしてぼくも年神さまを迎える準備をするようになる
その年ぼくの家に来た年神さまは
しわくちゃのお餅みたいな顔をしていた
やがてつむじの花は実を結び枯れてゆき種子を残す頃には
ぼくは種をひと粒握り
誰も知らない山の頂へ向かうことだろう
そして大晦日の晩から元旦にかけて
健やかな子どもの足裏へと向かうんだ
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