散らばった宝石/なけま、たへるよんう゛くを
よく読む事だ
あなたは隣人の祀る神ではなく
この地を治める神でもまたない
そびえる壁が何だ
山羊のように登れ
隠れ家から引きずり出されて男は言った
「何をしてくれても構わないが」
「私から信仰を奪わないでくれ」
呪術師狩りの面々は
十分試してみて諦めて殺した
オリンピアの地平に抱く
全てを兼ね備えたかのような錯覚
すぐ次の段落に焦がれる獣
物語の編み目を織り続けるぜんまい
そうなってしまえ
来たる日にあなたの鼻を湿すものは
蕪と人参と鶏油のくゆる朝もやではなく
連続的に明るい
ナイロンの帳で区画された
滑らかな成分であるのかもしれない
だとしても
漠々たる夜には
明くる青さを仰ぎ見て
戻る 編 削 Point(2)