散らばった宝石/なけま、たへるよんう゛くを
 
よく読む事だ
  あなたは隣人の祀る神ではなく
   この地を治める神でもまたない

そびえる壁が何だ
 山羊のように登れ

隠れ家から引きずり出されて男は言った
 「何をしてくれても構わないが」
  「私から信仰を奪わないでくれ」
   呪術師狩りの面々は
    十分試してみて諦めて殺した

オリンピアの地平に抱く
 全てを兼ね備えたかのような錯覚
  すぐ次の段落に焦がれる獣
   物語の編み目を織り続けるぜんまい
    そうなってしまえ

来たる日にあなたの鼻を湿すものは
 蕪と人参と鶏油のくゆる朝もやではなく
  連続的に明るい
   ナイロンの帳で区画された
    滑らかな成分であるのかもしれない
     だとしても

漠々たる夜には
 明くる青さを仰ぎ見て
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