男娼アルチュウル/川崎都市狼 Toshiro Kawasaki
ランボオは明らかに
佛文學の發展に寄與しやうと云ふ氣が
彼の戀人より尠なかつた
だからと云つて
彼は能く愛された男娼の
つもりもなかつた
彼の詩には秀才は秀才なりに*、なる
衒ひはないが
その知識は男娼のそれとは違つていた
男娼のそれ‐
一夜の上がりの何割をヒモに回すか
と云ふ事に盡きる
#詩
* ランボオの本質は、天才詩人である彼の前身が、就學中には單に秀才らしい秀才であつた事、に透けて見えると思ふ。何となれば、詩には天才があるが、學業には天才はあり得ないから、また彼は他に社會的經驗を持たないから、である。作詩者。
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