自由への流動/ひだかたけし
向こう林立する樹木の暗闇から手前こちら、
苔生す巨岩の平らかな頂きに
絶えず大量に溢れ流れる水がある
そうして溢れ流れるこの水の内に
絶えず脈打ちうねり律動スル力、
水の溢れ流れの大量を
一区切り一区切り分けながら
無秩序に溢れ流れるだけの水に
それぞれの流動の筋を与え
苔生す巨岩の平らかな頂きに
然るべき流路を穿つよう促す
日々重ね時の経ち緩慢にけれど着実に
幾筋もの流路の次第に穿たれるうち、
向こう林立する樹木の暗闇の奥から
響き来る声音の呼応し合い熱帯び
ゆくり熱の炎となり燃え立ちて
林立する樹木の群れ焼き払いながら
巨大なる光源を形成し発光
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