安吾の愉悦/
川崎都市狼 Toshiro Kawasaki
安吾の愉悦は
自分の頭で考へる
と云ふ事に盡きる
知の巨人は
逆説に次ぐ逆説で
きみに迫るだらう
神話を覆し
偉人を落魄させ
突き進む安吾は
何処か一休禅師の
狂態に似る
頭の螺子がイッちまふ迄
考へるのだ
心身総脱落
安吾は新潟の雪の子
吹雪の使者である‐
彼の眼前で
坂田三吉
香車を拾つた
#詩
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