駄々/201
じた筈の
果たせない約束
その足元にあるものが海です、と
まるで神の血を引いているように言うけれど
誰も彼女の出自を疑わない
馬鹿馬鹿しい、と叫んでしまった
という言い訳の
そのまた向こうに見え隠れする本音
手袋に隠したあざ
それがいつか本物の北極星になる時に
人としての私は死にます
誰かに殺してくれと頼んだような気がする
酔っぱらっていて覚えていない
生きていたくないからと言ってしまった気がする
羊は草原に生まれたことを後悔するし
猫は毛まみれだし
草は己の沈黙の重みに耐え兼ねて空を目指す
翼を打ち鳴らして行軍する天使たち
いつか彼らのように天使だった
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