それだけじゃ片付かない何かの為に/ホロウ・シカエルボク
本当に欲しかったものがついに手の中に来たと思えるのあここ二、三年のことだ、それは要するに、スタイルの入口に来たということだ、俺は自分が何を欲しがっているのか知らなかった、自分が何を手に入れようとしているのか知ろうとしなかった、そんなことには何の意味も無いからだ、俺が欲しがっているのは、セオリーによって組み上げられる、様式美的な何かではなかった、しいて言うなら、自分なりの様式美を見つけることから始めていたのだ、スタイルを欲しがっていたわけではない、最終的に自分のスタイルと成り得る、自分自身の本流のようなものが欲しかった、そしてそれは、奔流でなければならなかった、それはわかっていた、スタイルの話じゃな
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