水星逆行/秋葉竹
 
の去り際に美しさを求めずに
だれもいないから救いもない
降り落ちる雪をてのひらに受けて

てのひらに降り積もる雪は
なにも清くも白くもなくて
だれよりも哀しい吐息を吐き
その身を震わせつづけるだろう

それでなにもかもを
云えば世界のやすらぎでさえ焼き尽くしたいけれど

それが生きるってことだと
真摯な瞳で
鏡の中のじぶんと
どちらかが目を逸らすまで
睨み合いつづけることだけは
そのゴミみたいな自矜だけは
かえりみて強がるバカみたいな
さみしい罪ばかりのサガだけは
やめることなどでき無いだろう

できない無音のうたが流れる
それこそが
前途洋々やさしい想い出

水星逆行
知り
整える










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