水星逆行/秋葉竹
の去り際に美しさを求めずに
だれもいないから救いもない
降り落ちる雪をてのひらに受けて
てのひらに降り積もる雪は
なにも清くも白くもなくて
だれよりも哀しい吐息を吐き
その身を震わせつづけるだろう
それでなにもかもを
云えば世界のやすらぎでさえ焼き尽くしたいけれど
それが生きるってことだと
真摯な瞳で
鏡の中のじぶんと
どちらかが目を逸らすまで
睨み合いつづけることだけは
そのゴミみたいな自矜だけは
かえりみて強がるバカみたいな
さみしい罪ばかりのサガだけは
やめることなどでき無いだろう
できない無音のうたが流れる
それこそが
前途洋々やさしい想い出
水星逆行
知り
整える
戻る 編 削 Point(2)