水星逆行/秋葉竹
雪たち降り積もるしろい世界では
浪漫という夢なんて
くだらない幻想なのかな
深海の光の射さないくろい世界では
孤独という音さえ
聴こえない無音の闇なのかな
(じぶんを使って
じぶんを楽しませて
涙を我慢して
じぶんじしんを
卑しめるのは
よしたほうがいい)
朝
うっすらと雪が積もっていた田園
そこに陽が射して
キラキラと輝く世界にしてくれていた
雪が溶けてゆく時間をかけて
私は私の夢を
なんどもなんどもみ直しつづけていた
そして
昼間はいつだって
前に向かって歩けている気がする
すこし憎しみがけたたましくても
悪い嘘によってうす
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