浪漫なんて幻想なのかな/秋葉竹
 
てうす汚く吐く息が染まっても
それさえ許せる
おおらかなじぶんでいられる気がする

そして夜は
夜風が
哀しいひとの叫び声に聴こえたら
星空をみあげて
けんめいに
たったひとつでいいから流星を探すだろう

今夜は双子座流星群がいくつもいくつも
流星を流してくれる夜だと云うが
私にはたったひとつでいい
その流星にたったひとつの希いを希う
哀しみの夜風を
どうかこれ以上泣かさないで



みえない地の底から聴こえ出す
凍えるほどの悲鳴が
私の微笑みをそのとき
冷たい作りものに変えるかもしれない

この世界に傷つけられたふりはもうやめて
降り積もる雪の去り際に美しさを求めずに
だれもいないから救いもない
降り落ちる雪をてのひらに受けて

てのひらに降り積もる雪は
なにも清くも白くもなくて
だれよりも哀しい吐息を吐き
その身を震わせつづけるだろう

それが生きるってことだと
真摯な瞳で
鏡の中のじぶんと
どちらかが目を逸らすまで
睨み合いつづけることだろう









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