秋の終わり 冬の始まり/201
思い出そう
そして道半ばで倒れるであろう
自分の為に悲しむ時間を
作ろうとしなければ
絶対に作れないものもあるから
見えないもののことを
時々思い出そう
それさえ生きる為だっていう
自分の貪欲さに
うんざりしながら
まあいいや
セブンイレブンで買った幸せと
なんとなく紹介された仕事
サミットで二切れ買った鮭
飾る為だけのマグネット
数字のない時計
そういうもので日常は出来てく
考える必要もない
本当はね
世界は素晴らしいところさ
僕さえいなければね
君は金を払ってオーロラを見るのかい
僕は
僕の時間を払って
また白い虹でも見つけようと思ってる
金がすべてさ
分かってるよ
何の話だったか?
もう気にしないでいいってことだよ
僕のことも
君のことも
今はいない誰かのことも
これから出会う誰かのことも
右足を出して
左足を出すんだ
それだけだよ
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