星辰/あらい
 
て。あれは乏しくて、役者やったって

なぜ盤を破り。
絡み合った指から 
重ねた叢雲が浸透し、
辛いほどのだるさで踏み入れるものなのか、
折れた痕
、故、仄かは温い
、境界をまた踏み越える。
パネルに体積を洩った爪弾き 
銀砂の昨日など奥地へ、
糸巻きなどの心臓、
稚拙だが 正誤。
それは明朝などと
どうせ点描の花霞にあって、
それになぜだか針を含んだ

言葉が、ひらけて遅い欄干をみた、懸命な木枯らしだ
水面に奔らせると麓には、寝ずの癇癪も躍ったもの
鋳るのかさえ、さんざん伝って 彷徨ったものの、
放り投げた華である。絞め殺した際のモラールとニンフ
磨り硝子に溺れた火鉢の早春が病み付いた目の色。

呼びかけは海岸線を照りつける、貝殻じみた滴りが
黄泉というには 棚に顰めた躰が内側に起こした。

雨曝しの、赤銅色の枯葉蛾の転覆した星辰

きつい細径に佇むあれは――物陰の名ばかりに
脳裏をやわく産み付けるホゾだから惚れる
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