星辰/あらい
 
まいります、まいりますから。
風はまた途切れてしまうよう。

何処から続いていて結えばいいか、たまには
臆病な水差しを戻して出来損ないの赤面して。
「歌おうか」瞼の裏側だけ逆らえず
鶸色の古い障子の床を、あけっぴろげに
紫に剥いで、それを知ったとき
呼びとめられた傲慢だとわらっていって、
枕を蹴った。いくつかの色づいた薫りがした。
それで充分で 文の一部は霞んだ。
そんな芽を出した その背の縫い目に
目障りなメルヘン。数週間経って、触れることすら。

昨日の針金は性について輪を描くかたちに刻まれていく

こんな夜中にさ、知音の肌ざわりで、往復する鳥
、落ち着いて。
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