罪と罰/
大覚アキラ
一室は
たしかに 海の匂いがした
寝乱れたシーツは まるで
罪人どもに踏み荒らされた灰色の砂浜のようで
わたしの中に閃いた密やかな欲情を
いっそう強く掻き混ぜたのだ
+
きっと わたしの頭蓋の暗闇は
あのスクリーンの中の暗い海に
どこかで繋がっているのだ
いつの日か
あの海に牽かれてゆく日が来るとしても
それが罰だとしたら
わたしは 何一つ怖くなどない
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