ココアを飲みたい/秋葉竹
 

 

神さまは、
叶わない愛なんて知らない
って云ってた。

幻の夜、
かつてのひとを求めた私のあたまは
すこし許せないくらい熱くなって
嘘みたいに
涙なんてものまで
浮かべてしまってる始末。

叶うわけないし、
叶ってほしくもない愛に
すっかり打ちのめされて
なにもかも忘れたいと
こんどはそれだけを
祈ったりしてね
お手頃感覚の
神さまなんているのならね

神さま、おねがいだ。

でないと私は
棒立ちの影になる
無力な純情になる

そしてただ
あたたかいココアだけを飲みたくなる

そして
叶わない愛なんて知らない
って
口に
[次のページ]
戻る   Point(2)