万華鏡/秋葉竹
からだじゅうから
悲しい毒が 消えていくそんな真夜中には
あのですね、
だれを信じるかも
なにを信じるかも
夜空で遊んでいる異形の星座に
お任せしてみます
神さまなんてこの身に巣食う
無欲で行儀正しい
満たされない傾奇者みたいじゃないですか
あなたはもう
その痛ましい真実を知っているから
目も合わせず
ひとりっきりでながいお別れを
すこしカッコつけて
告げようとしていますね
悲しみの心を晒すことはせず
あまり遠い過去ならみないふりをして
秋の虫みたいに涼やかに語りだすのですね
万華鏡
くるくる くるくる 回すだけ
万華
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